求められているのは「ソーシャルディスタンス」なのか
少々困っていることがある。「ソーシャルディスタンス」という言葉だ。
中学校には社会科という教科があるが、高校にはない。公民科と地理歴史科に分かれる。ただ、公民科の中に現代社会という科目がある。
現代社会を教えるときに最初には「社会とは何か」と生徒に問うことにしている。自分が学ぶ科目が何について学ぶ科目なのかがわからなければ、何についてどういう方向で考えればいいのかわからなくなるいで、思考することは難しくなり、暗記型の学習になってしまうと考えているからだ。
そして、社会とは「人と人との関係」のことであり、社会科では人間関係を学んできたのであり、高校でも人と人との関わりを学ぶことが目標だと教えてきた。
ソーシャルディスタンスを直訳すると、「社会的距離」となってしまう。自分が教えてきたことと矛盾してしまうように思うのだ。
今求められてることは、人と人との距離であるが、それは歩いている時に2メートルの距離をあけるとか、接触を減らすとか、席を離れてすわるとかだ。
そういった中で逆に人と人との関係を保とうという動きを続けてきた。
直接会うのは避けるので会議をしないのではなく、リモートで会議をするとかだ。私も何度かリモートの会議には参加してみたが、普段県内の端から端より集まるので、参加することが難しい人も参加しやすかったのではないかと思う。ホストの人は大変ではあるが。
つまり、新型コロナウィルス対策で物理的距離はとらなくてはいけなくなったとしても、なんとか社会距離は縮めようとしてきたのが、ここ半年だったのではないかと思う。